前のページでは主従関係を構築する際のポイントについて解説してきましたが、ここではそれと並行してもうひとつ子犬に教えるべきことについて説明していきましょう。

それは、やって良いこととイケナイことの区別。

犬やオオカミの群れには各々のルールがあります。

そのルールを教えていくのが群れのボスや先輩犬で、ルールを守れない犬は仲間外れにされてしまうのです。

ペットとして飼育されるワンちゃんはこれから飼い主さんと一緒に生活していくわけですから、ワンちゃんがその家庭のルールを守らなければならないのは当然のこと。

つまり、ワンちゃんにやって良いこととイケナイことの区別を教えてあげるのは飼い主さんの責務なのです。

これは主従関係の構築と同様に基礎的なことなので、子犬を迎えた初日から取り組んでいくようにしましょう。(成犬を新たに迎える場合も同様)

まず、やって良いこととイケナイことを子犬に解り易く理解させる方法として最も手っ取り早いのは良いことをした時に褒めてあげることです。

この時、幼い子犬でも解り易いように高い声で大げさに褒めてあげるのがポイントなのですが、かつてテレビ番組によく出演されていた動物王国の“ムツゴロウさん”こと畑正憲氏をご存知でしょうか?

ムツゴロウさんが動物に接する姿をご覧になったことがある方は解ると思いますが、抑揚を付けた言葉や動物の鳴き声を真似た声を発し、ジェスチャーを交えながら動物に接するのがムツゴロウさんの特徴。

話し方やジェスチャーだけでも感情はじゅうぶん伝わりますので、こういった要素を交えながら子犬に接してあげるよう心掛けましょう。

そして、やってはイケナイことをした時にはその都度「イケナイ!」と言い聞かせる(叱る)のですが、この状況では褒める時に発した声とは反対に低い声を発するのがポイントです。(犬が喧嘩をする時に「ウーッ」と低い声で唸るのをイメージしてください)

また、この時に使う言葉は「ダメでしょ~」、「こらぁ、イケナイでしょ~」、「○○しちゃダメよ!」などの色々な表現を使うのではなく、ご家族みなさんで「イケナイ!」に統一しておきましょう。

家族のみなさんがいろいろな表現を使ってしまうと幼い子犬はその違いが理解出来ずに混乱してしまいますが、「イケナイ!」のように簡潔で犬にも聞き取り易い音感の言葉は子犬のしつけに限らず、ワンちゃんとコミュニケーションを図る上で非常に効果的です。

だからと言って、「子犬が何か悪さをしたらすぐにイケナイ!と言い聞かせればいいんだな…」と目を光らせているだけではいけません。

ここで飼い主さんは子犬が失敗をしないように配慮してあげるようにしましょう。(失敗しなければ叱る必要もありません)

例えば子犬を遊ばせるお部屋の床に観葉植物が置いてあれば、好奇心旺盛な子犬にとって恰好のおもちゃになるのは目に見えていますので、子犬の興味をそそるようなものは極力子犬の手が届かないところに移動しておくといった配慮です。

また、この段階では叱るときに子犬の名前を呼んではいけません

ある程度成長して子犬が自分の名前を理解してしまえば特に問題ありませんが、まだ自分の名前を完全に理解していない段階で名前を呼びながら叱ってしまうと『名前を呼ばれる=叱られている』と勘違いして覚えてしまうことがありますので注意しましょう。

それでは、次のページでは子犬に接する際のコツと注意点について説明していきましょう。

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【子犬をしつけるための基礎知識】5.しつけのコツと注意点