ここでお話しするのは無駄吠え対策とは少々違うのですが、ちょっとした予備知識としてのお話しです。

“よく吠える子” or“ あまり吠えない子”といった違いは個体差(生まれ持った気質)によっては確かに見られますが、子犬を迎える生後2ヶ月齢前後の時点でその違いを見極めるのはなかなか難しいもの。

結局のところ、これまでお話ししてきたように飼い主さんの子犬に対する接し方が今後の無駄吠えを左右すると言えるでしょう。

では、犬種によって無駄吠えが多いor少ないといった違いはあるのでしょうか?

無駄吠えとは?のページでもお話ししましたが、『無駄吠え』はあくまでも本来吠えるべきではない状況にもかかわらず、飼い主さんの制止が利かずに吠え続けてしまうこと。

つまり、そういった意味では犬種の違いと無駄吠えの多さは無関係です。

そもそも純血種はそのほとんどが使役犬(作業犬)で、人間の仕事を手伝わせるために作られたという経緯があります。

さまざまな役割(仕事)において性能を発揮出来るよう人間が改良を重ねて作り上げた訳ですから、同じ“犬”であっても犬種ごとに特性や気質の違いが見られるのです。

一般的に“気性が荒い”傾向があるテリア系の各犬種はよく吠える犬種の代表として挙げられがちです。(もちろんテリア系犬種であってもあまり吠えない子もいます)

また、闘犬としての歴史を持つ犬種は闘志を高めるために荒い気質に改良されてきた犬種ですから、多くの方にペットとして飼育されているような犬種とは気性がまったく違います。

そのため、もししつけが上手くいかなかった時のことを考えてしまえば、こういった気性が荒いとされる犬種は結果的に無駄吠えが酷くなると言わざるを得ないでしょう。

ただ、これは私たち日本人がシャイな性格の人が多く、欧米人は陽気な性格の人が多い傾向があるように、人種によって気質がそれぞれ異なるのと似たようなこと。

よく吠える犬種であっても、あまり吠えない犬種であっても、それはあくまでもその犬種の特性や気質であって無駄吠えとは本質が異なりますので、その点は誤解しないようにしましょう。

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では、その気性の荒い犬種とは逆で、温厚な犬種というのはどういった犬種なのでしょう?

代表的なところを挙げると、やはりラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーといったレトリバー犬種でしょう。

ラブラドールレトリバー

レトリバー犬種はもともとハンターが撃ち落とした獲物を回収することを目的として作られた猟犬ですが、その従順さから現代では盲導犬、聴導犬、セラピードッグなど人間のパートナー的な役割で活躍する機会が多くなっています。

ゴールデンレトリバー

ただ、温厚であっても当然吠えますし、レトリバー犬種は大型犬なので吠えればその声は響きます。

どんなに温厚な気質の犬種であっても、無駄吠えを助長してしまうような間違った接し方(飼い方)を続けてしまえば無駄吠えが多い子に育ってしまいますから油断は禁物です。

そこで、あえて“あまり吠えない”という条件を重視して選ぶのであれば、そのおすすめは『狆(ちん)』という犬種です。

狆(ちん)

実際に飼育している飼い主さんですら、鳴き声を聞くことはあっても吠えている声はあまり聞くことがないくらいなので、あまり吠えない犬種という条件であれば狆(ちん)はひとつの選択肢になるでしょう。

そして実はもうひとつ、究極の吠えない犬種として『バセンジー』という犬種をご存知でしょうか?

バセンジー

バセンジーが声を発するのは感情を表現する時に「クー、クー」と高い声で鳴く程度で、吠えることはほとんどありません。

そんなバセンジーは“吠えない犬種”をお探しの方にはまさにピッタリの犬種なのですが、いかんせん登録数が極端に少ない超稀少犬種のためなかなか巡り会う(入手する)ことが出来ないのです…。

結局のところ、無駄吠え対策は子犬の時からのしつけが何より大切と言えますね。


これを以って子犬のしつけ.comの全課程は修了です。

当サイトでは飼い主さんと愛犬との信頼関係をベースとしたしつけを中心に解説してきましたが、これらを実行してきた飼い主さんとワンちゃんであればこの先の訓練的要素が高いしつけにも無理なく移行出来るでしょうし、何よりも家庭犬としての最低限のしつけであればこれでもう充分なはずです。

時には上手くいかないこともあるかもしれませんが、少なくとも日常生活で手に負えなくなるようなことはまずありません。

子犬のしつけ.comを訪れてくださったみなさんの愛犬との充実した楽しい生活が末永く続きますことを心より願っております。

Woof(子犬のしつけ.com)